2、図書館運営について

昨今の行政改革の中、図書館運営がどうもその時流に乗り遅れているように思えてなりません。

職員の話では、人員や予算の削減にはしっかりと取組まれているようです。

その話される表情をみるとその深刻さが伝わってまいりますので、相当な御苦労をされているのだと分かります。

では視点を変えて、図書館の持つ可能性は、引き出されているかと見ればいかがでしょう。

私の眼には、昔と同じ、丁寧で優しそうな職員が本の貸し出し等行い、また慌ただしく本の整理に動き回る姿が映るのみです。

確かに、図書館のホームページができて、インターネットの活用により、いつでも、図書館での行事などの情報を、知ることができるようになり、さらに蔵書の検索や予約ができるようになりました。

しかしその他、図書館が出来ておよそ30年の間、どういったところが進化してきたのでしょうか。

新刊の購入が減少すると利用者が減少する、そんな声もありますけれど、図書館の魅力というのは新刊にしかないのでしょうか。

私はそんなことはないと、図書館には素晴らしい可能性があると考えております。

人員や予算の削減は必要性あってのことですから、それはそれで実現していかなければならないでしょうけれども、そうだからといって、図書館の可能性を引き出さないでよいはずがありません。

私には気付けなかった進化が、図書館運営にも他の事業にもきっと沢山あったのだろうと思いますが、今回の質問では、図書館の輝く未来の展開をどのようにお考えなのか、わくわくしながら伺ってまいりたいと思います。

 

 

@インターネット等で膨大な情報を得られるようになった今日、今までの、単なる資料や知識の集積所としてではない機能が、今後の図書館運営に求められると思うが、今後の図書館運営の展開についてお考えを伺いたい。

A地域情報の更なる充実と電子化を図ることで、全国全世界のための燕資料館という、地域情報の発信拠点としての役割を担うことが出来ると考えるがいかがか。

 

ICTの活用が盛んになり、住民は膨大な情報をあらゆるところで手にすることができるようになりました。

今まで知の集積所としての役割を担っていた図書館ですが、いつでもどこでも誰もがインターネットを通じて情報を入手できるようになった今、図書館に行けば色んな本があるとか、図書館の事業を通じて本に親しむとか、そういった市民と本をつなぐという取組みだけでなく、今までの運営を突き抜けた、情報拠点としての、素晴らしい可能性を秘めているのではないかと思っています。

文部科学省や多くの自治体でも、今後の図書館運営については議論がなされており、多くの先進事例をみることができます。

そもそも図書館が扱っているのは情報です。

燕市が高度情報化を推し進める中で、情報の集積所としての図書館が、今後どんな展開をみせてくれるか、その期待は否応なしに高まるものであります。

Aについて、今までの図書館は市民のために運営されて来ました。

この当たり前の視点をちょっと変えて、市民向け市内向けだったサービスというものに、全国全世界へ向けた情報発信という視点を、取り入れてはいかがか、ということを提案したい質問です。

詳細で多種多様な燕市の地域情報が、インターネット上で公開されていることで、市外国外に住む人々がインターネットで燕市を訪れた際、この町はどんな産業が活発でどんな技術を持っていてどんな会社があるのか、どんな歴史がありどんな文化をもっているのか、どんな行事が行われているのか、どんな自然があるのかなど、全国全世界の人々は各地にいながらにして、燕市の魅力を知ることができるようになります。

どこのまちでもやっているような簡単な紹介ではなく、既に公開されている、住民や企業が作成しているホームページ等のリンクも行いつつ、市民から色んな協力を得ながら、学術的にも使えるような、出来るだけ詳細な情報を集積し公開して行きます。

勿論、市内事業者のビジネスチャンスにも繋がるような、産業の情報も発信して行きます。

 

 

B燕市が、基幹産業と位置付ける業種の専門書や、今後推進したい分野、また、住民の関心の高い、健康や医療に関する図書などの充実を図っていただきたいがいかがか。

図書館の蔵書はバランスよく揃えられていると伺います。

しかしながら、バランスよくといっても全ての人が満足してくれるように揃えることはできません。

それならば関心の高い分野のものを特に充実していく、または市内3か所でそれぞれの蔵書の内容に特徴を持たせるとか、そういったことはできるのではないかと思いますがいかがでしょうか。

 

 

C増加する図書館資料の整理をどのように進めているか。

D図書館資料の電子化は進められているか。

この質問は、蔵書の除籍を促すものではありませんので、その点ご留意願いますよう、申し上げておきます。

 

毎年新しい図書が納本されますが、廃棄される図書の量は、納本される量に比べるととても少ないようですから、蔵書は年々増えて行く一方です。

よって書架に収まりきらなくなった図書が、当然出てまいるわけですが、それらの図書は書庫へ納められ、その棚等に収まりきらなくなった図書は段ボールに詰められるなどして、部屋の空きスペースに置かれて行きます。

その段ボールなどは年を追うごとに増えていき、やがて2段から3段、3段から4段とどんどん増えていくわけです。

それらの図書は除籍が行われるまで貸し出されて行きます。

その積み重なった段ボールの中から、必要とする図書を取り出す作業は、力もいるでしょうし、傷まないように扱うため気もつかうでしょうから、本当に大変な作業です。

 

また、図書館という構造物が、どれ位の図書の重量に耐えられるのかということも考えなくてはなりません。

今後建物の老朽化が進み、躯体の強度も弱まってくると思いますが、それでも重い本はどんどん増えていくわけです。

図書館の耐荷重量と、今後それを越えることになるのではないかと思われる蔵書量の問題や、本来図書を収納したりするスペースではないところに図書が収納されることで、建物に掛かる負担はどうなのか、重量物の偏在が建物にどのような影響を及ぼすのか、それらのことをどのように把握され、どのようにお考えなのかも気になるところです。

書架に納めきれず、段ボールに詰め込まれ山積みにしてあるような蔵書については、予約で貸し出すことになっているのであれば、わざわざ図書館に置くことだけを考えなくてもよいのではないかと思います。

災害に対する備えとしても、職員の作業の効率化という意味でも、現状認識をしっかり行って、今後のことを検討していくことは重要だと思いますし、特に職員の作業の効率化という点については、人員削減を進めて行く中にあって、早々に対応していただく必要があると思います。

 

さて、図書館資料の電子化についてですが、電子書籍の普及については、まだまだ難しい問題があるようですが、例えば新聞を長い年数保存しているわけですけど、それらは電子化できないのでしょうか。

さらには、著作権の問題などもありましょうけど、電子化出来る資料などはどんどん電子化を進めて、蔵書の整理を行うと共に、図書館のホームページから閲覧できるようにした方がよいと思います。

 

ところで、先日とある小学校の学校沿革というものを目にすることがありました。

これは、各学校の校長教頭先生が代々管理してきたもので、学校が作られた時からその時代時代の校長教頭先生が、その時々のできごとを大まかに記しているものです。

その書類は大昔からのものですから、ぼろぼろになっていました。

こういった書類についてはすごく価値があると思いますが、現存するのは和紙で出来た原本一冊のみで、それが毀損滅失してしまったら、2度と目にすることが出来なくなります。

地域情報の充実や電子化を図る過程で、こういった地域の重要書類なども電子化し、図書館資料とすることも是非実現いただきたいと思いますがいかがでしょうか。

 

E図書館利用者が、持ちこみパソコン等を使用できるスペースを確保する考えはないか。

燕図書館に限っていえば、2階学習室隣の展示室は、使われていない日が月の半分ほどあるとのことですし、エアコンが階ごとの切り替えしかできず、フロア全体に効いてしまっているため、利用のない時でも展示室は学習室同様エアコンが効いています。

なんとか利用の促進を考えて欲しいものです。

 

F定休日数を減らし開館日を増やすことはできないか。

昨年12月議会で、ひと月のうち特定の曜日が全て休館とならないよう配慮いただきたいと申し上げ、今年10月からハッピーマンディの開館を行っていただけることになりました。

今までして来なかったことを新たに取り組まれたことは、大いに評価されるべきでしょうし、人員や予算の問題などで、ハッピーマンディのみの開館でも大変なご苦労があったのだろうと思います。

しかしながら、ハッピーマンディというのは実際、年に何回あるのでしょうか。

平成24年で約53日ほどある月曜日のうち、ハッピーマンディは6日間くらいしかありません。

約1年掛けてこのような結果となったのですから、ひと月の内特定の曜日が全て休館とならないよう配慮いただきたいという提案の実現は、中々むずかしいのでしょうから、より多くの市民に利用いただけるよう、定休日数を減らすことはできないか、という別の視点でお考えを伺いたいと思います。